庭に咲いた花や道端で見つけた小さな野花を、そのままの姿で残しておきたい。そんなときに試してほしいのが押し花です。押し花は本に挟んで作る昔ながらの方法が有名ですが、実はアイロンや電子レンジを使えば短時間で作ることもできます。
完成した押し花はしおりにしたり、スマホケースに入れたり、ハンドメイドのアクセサリーに使ったりと、楽しみ方はさまざまです。材料費もほとんどかからないので、気軽にチャレンジできる趣味としてもおすすめです。
この記事では、きれいな押し花を作るための3つの方法と、失敗しないためのコツを紹介します。初めて押し花を作る方でもわかるように、手順を細かく解説していきます。

押し花に向いている花の選び方
水分が少ない花がベスト
押し花に適しているのは、花びらが薄くて水分量が少ない花です。水分が多い花は乾燥に時間がかかり、カビが生えたり変色したりしやすくなります。
押し花に向いている花
・パンジー、ビオラ
・かすみ草
・コスモス
・ネモフィラ
・クローバー
・アジサイ(花びらが薄い部分)
・シロツメクサ
・スミレ
逆に、バラやカーネーションなど花びらが幾重にも重なっている花は、そのままでは押し花にしにくいです。花びらを1枚ずつバラして押すか、半分に切ってから押す方法で対応できます。
摘むタイミングが重要
花が完全に開ききった直後が、押し花作りのベストタイミングです。つぼみの状態では水分が多く、逆にしおれ始めた花は色がくすんでしまいます。晴れた日の午前中、露が乾いた頃に摘むと、余分な水分が少なくてきれいに仕上がります。
方法1:本や新聞紙で挟む(基本の方法)
用意するもの
ティッシュペーパーまたは新聞紙、重しになる厚い本や辞書(2〜3冊)、段ボール。
手順
1. 花を摘んだら、軽く水分をティッシュで拭き取る
2. 段ボールの上にティッシュを敷き、花を並べる(花同士が重ならないように)
3. 上からティッシュをかぶせ、さらに段ボールを重ねる
4. 上に重しとして本を載せる(5kg程度が目安)
5. 2〜3日ごとにティッシュを新しいものに交換する
6. 2〜4週間ほどで完成
LOVEGREENの押し花解説でも紹介されている通り、ティッシュをこまめに交換することで湿気がこもるのを防ぎ、カビの発生を抑えることができます。交換の目安は2〜3日に1回です。
重しを載せた後は、完成するまで花の位置を動かさないようにしましょう。途中で動かすと花びらがよれたり、形が崩れたりしてしまいます。

方法2:アイロンで作る(時短テク)
用意するもの
アイロン、クッキングシート(オーブンシート)、ティッシュペーパー。
手順
1. アイロンを低温(80〜100度程度)に設定する
2. クッキングシートの上にティッシュを敷き、花を並べる
3. 花の上にティッシュとクッキングシートを重ねてサンドイッチ状にする
4. アイロンを30秒ほど押し当て、いったん離して冷ます
5. 冷めたら再びアイロンを30秒押し当てる
6. これを3〜5回繰り返す
7. 花がパリッとしていれば完成
アイロン法なら、本で挟む方法では2〜4週間かかるところを、わずか10〜15分で押し花が完成します。Creemaの押し花記事でも詳しい手順が紹介されていますが、ポイントは「押し当てる→冷ます」を繰り返すことです。一気に高温で長時間プレスすると、花が焦げてしまいます。
アイロン法のコツ
スチームは必ずオフにしましょう。水蒸気が花にかかると、乾燥が不十分になり変色の原因になります。また、アイロンを押し当てる際は、滑らせずにまっすぐ上から押すのがきれいに仕上げるコツです。
方法3:電子レンジで作る(最速テク)
用意するもの
電子レンジ、段ボール2枚、ティッシュペーパー、輪ゴムまたはクリップ。
手順
1. 段ボールの上にティッシュを敷き、花を並べる
2. ティッシュと段ボールでフタをし、輪ゴムで固定する
3. 600Wで40〜60秒加熱する
4. 取り出して花の状態を確認し、まだ湿っていれば10秒ずつ追加加熱
5. 花がパリッとして乾燥していれば完成
電子レンジ法は最も短時間で完成する方法ですが、加熱しすぎると花が焦げたり縮んだりするリスクがあります。初めは短い時間で試して、様子を見ながら追加加熱するのが安全です。
電子レンジから取り出した直後は花が高温になっています。やけどに注意して、必ず冷めてから触るようにしましょう。
3つの方法の比較
| 方法 | 所要時間 | 難易度 | 色の残り具合 | 道具 |
|---|---|---|---|---|
| 本で挟む | 2〜4週間 | 簡単 | 良好 | 本・ティッシュのみ |
| アイロン | 10〜15分 | やや注意が必要 | 良好 | アイロン・クッキングシート |
| 電子レンジ | 1〜3分 | やや注意が必要 | 普通 | 段ボール・ティッシュ |

押し花をきれいに仕上げるための共通コツ
新鮮な花を使う
摘んでから時間が経った花は水分バランスが崩れており、きれいに仕上がりません。花を摘んだらできるだけ早く押し花作りに取りかかるのが鉄則です。どうしてもすぐに作業できない場合は、ジッパー付き袋に入れて冷蔵庫で保管しておきましょう。
花びらの厚みを均一にする
花の中心部(がく)が厚い場合は、裏からカッターで薄く削ると均一にプレスできます。厚みにムラがあると、薄い部分だけが潰れすぎてしまい、仕上がりが不均一になります。
専用の乾燥シートを使う
ティッシュや新聞紙の代わりに、押し花専用の乾燥シートを使うとさらにきれいに仕上がります。専用シートは吸水力が高く、花の水分を素早く吸い取ってくれるため、色褪せを最小限に抑えることができます。手芸店やネットショップで購入できます。
押し花の楽しみ方アイデア
しおりを作る
押し花の定番の楽しみ方です。押し花を台紙に貼り、ラミネートフィルムで挟めば完成。透明感のある美しいしおりになります。プレゼントとしても喜ばれます。
スマホケースに入れる
透明なスマホケースと本体の間に押し花を挟むだけで、世界にひとつだけのオリジナルケースが完成します。レジン(紫外線硬化樹脂)で固めると、さらに長持ちします。
フレームに入れて飾る
額縁やフォトフレームに押し花を配置して飾れば、おしゃれなインテリアになります。背景に色紙を使ったり、複数の花を組み合わせてブーケ風にアレンジしたりすると、さらに素敵な作品に仕上がります。
キャンドルに埋め込む
手作りキャンドルの外側に押し花を貼り付けると、火を灯したときに花がほんのり透けて見えて幻想的です。シモジマの押し花ガイドでも紹介されている通り、押し花の活用法は年々広がっています。
レターやカードに添える
手紙やメッセージカードに小さな押し花を添えると、特別感がぐっと増します。マスキングテープで軽く固定するだけでも、心のこもったカードになります。

押し花の保存方法
湿気と紫外線を避ける
完成した押し花を保管する際は、湿気と紫外線が大敵です。乾燥剤と一緒にジッパー付き袋に入れ、直射日光の当たらない場所に保管しましょう。
UVカットスプレーの活用
額に入れて飾る場合は、UVカットスプレーを吹きかけておくと色褪せの進行を遅らせることができます。保存状態が良ければ数年間は色を保つことが可能です。
よくある質問(Q&A)
Q. 押し花が茶色く変色してしまう原因は?
変色の主な原因は「乾燥不足」と「花の鮮度が悪い」ことです。乾燥が遅いと花の色素が分解されて茶色くなります。ティッシュをこまめに交換して吸水性を保つこと、新鮮な花を使うことで改善できます。
Q. 厚みのある花は押し花にできない?
そのままでは難しいですが、花びらを1枚ずつ分解して押したり、花を縦半分にカットして断面を押したりすることで、厚みのある花でも押し花にすることができます。
Q. 葉っぱも押し花にできる?
もちろんできます。シダやクローバーの葉、もみじの紅葉など、葉っぱの押し花も美しい作品になります。葉は花よりも水分量が少ないので、比較的簡単に作れます。
Q. 子どもと一緒に作れる?
本で挟む方法なら、小さなお子さんでも安全に楽しめます。アイロンや電子レンジを使う方法は、やけどの危険があるため大人が付き添ってあげましょう。クローバーやシロツメクサなど身近な植物で作ると、子どもも楽しめます。
Q. 押し花の色を鮮やかに保つ方法は?
専用の乾燥シートを使うこと、素早く乾燥させること、UVカットスプレーで仕上げることの3つが、色を鮮やかに保つための基本です。特に青や紫の花は色が残りやすく、赤い花はやや褪せやすい傾向があります。
まとめ
押し花は「本で挟む」「アイロン」「電子レンジ」の3つの方法で作ることができます。時間をかけて丁寧に作りたいなら本で挟む方法、すぐに完成させたいならアイロンか電子レンジがおすすめです。
きれいに仕上げるための最大のポイントは、新鮮な花を使うことと、できるだけ短時間で乾燥させることです。身近な花で気軽にチャレンジして、しおりやスマホケースなど、自分だけの押し花作品を楽しんでみてください。

