しそ(大葉)は、日本のハーブの中で最も育てやすい植物と言っても過言ではありません。暑さに強く、生命力旺盛で、一度育て始めるとこぼれ種で翌年も勝手に生えてくるほどです。そうめんや刺身の薬味、天ぷら、パスタなど和洋問わず幅広い料理に使えるため、キッチンガーデンに1株あるとかなり重宝します。
スーパーで大葉を買うと10枚入りで100円前後しますが、自分で育てれば一夏で何百枚も収穫できます。この記事では、しその育て方をプランター栽培を中心に、種まきから収穫まで初心者にもわかりやすく解説していきます。

しその基本情報と栽培カレンダー
しそはシソ科の一年草で、ヒマラヤからミャンマー、中国南部が原産地と言われています。日本では古くから薬味として親しまれ、青しそ(大葉)と赤しその2種類があります。家庭菜園で育てるのは主に青しそ(大葉)が一般的です。
- 発芽適温:20〜25℃
- 生育適温:20〜30℃
- 種まきから収穫まで:約60〜70日
- 栽培難易度:とても簡単(初心者向け)
- 収穫期間:6月〜10月(長期間楽しめる)
種まき時期
- 種まき:4月〜6月(気温が20℃を超えてから)
- 苗の植え付け:5月〜6月
- 収穫期:6月〜10月
しその種は発芽に光が必要な「好光性種子」なので、土をかけすぎると芽が出ません。種まきの際はごく薄く土をかぶせるか、種を土の上に置いて軽く押さえるだけにしましょう。
プランターと土の準備
しそは根が浅く横に広がるタイプなので、深さ20cm以上、幅30cm以上のプランターがあれば十分育てられます。1株でもかなりの量を収穫できますが、2〜3株あると使い切れないほどの大葉が楽しめます。
土は市販の野菜用培養土で問題ありません。しそは土を選ばないタフな植物なので、特別な土づくりは不要です。底に鉢底石を敷いて水はけを確保しましょう。

種まき・苗の植え付け方法
種から育てる場合
- 種を一晩水に浸けておく(発芽促進のため)
- プランターの土を湿らせる
- 種をばらまきするか、1cm間隔ですじまきする
- 好光性種子なので、覆土はごく薄く(1mm程度)かかけない
- 霧吹きでやさしく水をかける
- 発芽まで(7〜14日)は土を乾かさないように管理する
苗から育てる場合
初心者は苗からスタートするのが確実です。ホームセンターで5月頃から苗が出回ります。植え付けの際は株間を20〜30cmほどあけましょう。植え付け後はたっぷり水やりして、根付くまでの1週間ほどは半日陰に置きます。
水やり・追肥・日当たりの管理
水やり
しそは水を好む植物です。土の表面が乾いたらたっぷり水やりしましょう。水切れすると葉が硬くなって食感が悪くなるので、特に真夏は朝夕の2回水やりするのがベストです。
追肥
しそは生育旺盛なので肥料もそれなりに必要です。2週間に1回程度、液体肥料を与えましょう。肥料切れを起こすと葉が小さくなったり黄色くなったりします。
日当たり
しそは日当たりの良い場所でも半日陰でも育ちます。柔らかくて香りの良い大葉を収穫したいなら、半日陰がベストです。直射日光が強すぎると葉が硬くなりやすいです。ベランダの少し奥まった場所がちょうど良い環境です。

摘心と収穫のコツ
摘心で収穫量アップ
しそもバジルと同様に、摘心することでわき芽が増えて収穫量がアップします。草丈が30cm程度になったら、先端を摘み取りましょう。わき芽が伸びてきたら再び先端を摘心します。これを繰り返すことで、こんもりと茂った株になります。
収穫方法
下の方の大きな葉から順に収穫していきます。茎ごと切り取らず、葉の付け根から1枚ずつ摘み取るのがコツです。1株に常に10枚以上の葉を残しておくと、光合成が十分にできて株が元気に育ち続けます。
花穂(はなほ)と穂じその収穫
秋になるとしそは花穂(はなほ)をつけます。この花穂は「穂じそ」として天ぷらや刺身のつまに使えます。花穂が出始めたら、葉の収穫は終盤と考えましょう。
来年もしそを育てたいなら、花をいくつか残して種をつけさせましょう。熟した種がこぼれ落ちると、翌年の春に自然と芽が出てくることが多いです。
病害虫対策
- バッタ:葉をかじる。防虫ネットで物理的に防ぐのが効果的。
- アブラムシ:新芽や葉の裏に群がる。水で洗い流すか手で取り除く。
- ハダニ:乾燥すると発生しやすい。葉裏に霧吹きで水をかけると予防効果がある。
- ヨトウムシ:夜間に葉を食害する。夜の見回りで捕殺するか防虫ネットで防ぐ。
しそを食用にする場合は農薬の使用を避け、物理的な防除(防虫ネット、手で捕殺)を心がけましょう。
しその育て方Q&A
Q. しそは室内で育てられる?
日当たりの良い窓辺なら室内でも栽培可能です。ただし、しそは生育旺盛で大きくなるため、室内ではスペースを確保する必要があります。コンパクトに育てたいなら、こまめに摘心して高さを抑えましょう。
Q. 青しそと赤しその違いは?
青しそ(大葉)は薬味として生食するのが一般的です。赤しそは梅干しやしそジュースの材料として使われます。育て方はほぼ同じですが、両方を近くに植えると交雑して翌年の種から変な味のしそが生えることがあるので注意しましょう。
Q. しそが苦い・えぐいのはなぜ?
日当たりが強すぎる場合や、肥料不足が原因のことが多いです。半日陰で育てて適度に追肥すると、柔らかくて風味の良い葉が育ちます。
Q. しそはこぼれ種で勝手に生える?
しそはこぼれ種でよく増える植物です。秋に花を咲かせて種を落とすと、翌年の春に自然と芽が出てくることが多いです。ただし、年々交雑が進んで香りが弱くなることがあるので、数年おきに新しい種をまき直すのがおすすめです。
しその活用レシピと保存方法
しその保存方法
- 冷蔵保存:コップに少量の水を入れ、茎の部分を水につけてラップをかぶせて野菜室で保存。2週間程度もつ。
- 冷凍保存:洗って水気をふき取り、フリーザーバッグに重ならないように並べて冷凍。凍ったまま手で揉み砕いて料理に使える。
- しそ醤油:醤油にしその葉を漬け込むだけで香り豊かな調味料に。冷蔵庫で1ヶ月保存可能。
- 乾燥保存:天日干しやレンジで乾燥させて、粉末にすればふりかけ代わりに使える。
しそのおすすめレシピ
- しそ巻きおにぎり:おにぎりをしその葉で巻くだけで風味が格段にアップ
- しそ入り餃子:餃子のタネにみじん切りのしそを混ぜ込む
- しそジュース:赤しそで作るジュースは夏バテ対策にもぴったり
- しそ味噌:しそのみじん切りと味噌、みりんを炒めて合わせる万能調味料
- しその天ぷら:葉っぱ1枚ずつカリッと揚げれば最高のおつまみに

しそで虫除け効果も期待できる
しその独特な香りには虫を寄せ付けにくい効果があるとされています。ベランダにしそのプランターを置いておくと、ある程度の虫除け効果も期待できます。コンパニオンプランツとして他の野菜の近くに植えるのも効果的です。
ただし、しそ自体にはバッタやアブラムシなどの害虫がつくことがあるので、完全な虫除けにはならない点は理解しておきましょう。
しそを使った手作りドリンクの作り方
しそはドリンクの材料としても優秀です。特に夏場におすすめのドリンクを紹介します。
しそジュース(赤しそ使用)
赤しそ300g、水1リットル、砂糖200g、クエン酸大さじ1で作れます。赤しそを煮出して砂糖とクエン酸を加えるだけの簡単レシピです。冷蔵庫で保存すれば2〜3ヶ月楽しめます。水や炭酸水で割って飲みましょう。
しそモヒート風ドリンク(青しそ使用)
青しそ5〜6枚をグラスに入れて軽く潰し、ライムと炭酸水を注ぐだけです。ミントの代わりにしそを使った和風モヒートです。アルコールなしでも爽やかで美味しいので、お子さんや運転する方にもおすすめです。

しその栄養価について
しそにはβカロテン、ビタミンB群、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれています。特にβカロテンの含有量は野菜の中でもトップクラスで、抗酸化作用も期待されています。毎日の料理に少しずつ取り入れることで、手軽に栄養を補える優秀な食材です。
まとめ
- しそは初心者でも失敗しにくい和ハーブの代表格
- 好光性種子なので種まき時は覆土をごく薄く
- 半日陰で育てると柔らかくて香りの良い葉に
- 摘心でわき芽を増やして収穫量アップ
- 水切れに注意、特に真夏は朝夕の水やりを
- こぼれ種で翌年も自然と生えてくることが多い
しそは手間をかけなくてもぐんぐん育ってくれる、家庭菜園の優等生です。プランターひとつで夏中ずっと新鮮な大葉が楽しめるので、ぜひ今年から育ててみてください。
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