自宅の庭を青々とした芝生にしたい――そんな憧れ、ありませんか。業者に頼むと費用がかさみますが、実は芝生の張り方はDIYでも十分対応可能です。作業自体に特別な技術は必要なく、正しい手順で進めればきれいな仕上がりを実現できます。この記事では、芝生張りに適した時期や必要な道具から、下地づくり・張り方の種類・張った後のケアまでを一通り解説します。

芝生を張るベストな時期はいつ?
芝生張りに最適なのは3〜6月(暖地)です。この時期は芝が生長期に入るため、根付きが早く活着しやすくなります。北日本では4月以降にずらすのが安全です。
秋(9〜10月)にも張ることは可能ですが、冬を前にして根付く時間が限られるため、春張りに比べるとリスクが高くなります。真夏や真冬の芝張りは避けましょう。高温では乾燥ダメージを受けやすく、低温では根が伸びないためです。
DIYに必要な道具と材料
芝張りDIYに必要なものは、ホームセンターで一通り揃えられます。
- 切り芝(ソッド):面積に応じた枚数を用意。ベタ張りなら面積分、目地張りなら8〜9割分が目安。
- 目土(めつち):芝の隙間を埋め、根付きを促進します。
- スコップ・レーキ:整地用に使います。
- 転圧器またはローラー:地面を固めるために使います。なければ足踏みで代用可能。
- 水平器・水糸:平らな仕上がりにするために活用します。
- 散水ホース:張り終えた後の水やりに使います。
切り芝は購入後できるだけ早く張るのが鉄則です。積み重ねたまま放置すると、内側の芝が蒸れて傷んでしまいます。購入日に張り終えるのが理想です。
下地づくりが成功のカギ|整地の手順
芝生張りで最も重要な工程が下地づくり(整地)です。ここを手抜きすると、後から凹凸が出たり水たまりができたりして見栄えが悪くなります。
ステップ1:雑草と石を取り除く
張る予定のエリアから雑草を根ごと抜き、石やゴミを取り除きます。大きな根や宿根草が残っていると後から芝の中に生えてきて厄介なので、この段階で徹底的に除去しましょう。
芝を張りたい場所が長く手つかずで、草が伸びきっている場合は、最初の草刈りだけ業者に頼むという選択肢もあります。草刈り110番は草刈り・草むしりの加盟店を紹介するサービスで、草むしりは根ごと抜く作業として依頼できます。現地調査・見積もりは原則無料です。料金の目安や見積もりの流れはこちらの記事でまとめています。

ステップ2:土を耕す
スコップで15〜20cmの深さまで掘り返して土をほぐします。粘土質の土が多い場合は、川砂やパーライトを混ぜて排水性を改善しましょう。芝生は水はけの悪い土壌が苦手なため、この工程は省略しないでください。
ステップ3:整地する
レーキで表面をならし、水平器で平らになっているか確認します。水勾配(みずこうばい)を意識して、建物側から庭の外に向かって緩やかに傾斜をつけると、雨水が溜まりにくくなります。目安は1メートルあたり1〜2cmの傾斜です。
ステップ4:転圧する
ローラーや足踏みで地面をしっかり固めます。この工程を怠ると、芝を張った後に地面が沈んで凹凸が出てきます。全体を均一にしっかり踏み固めましょう。


張り方の種類と特徴を比較
芝生の張り方にはいくつかの方法があり、予算や仕上がりのスピードによって使い分けます。
ベタ張り(全面張り)
切り芝を隙間なく敷き詰める方法です。仕上がりが早く雑草が入り込みにくいのがメリットですが、芝の使用量が最も多いためコストは高めになります。初心者にはこの方法がおすすめです。
目地張り
切り芝の間に3〜5cmの隙間を開けて張る方法です。ベタ張りより芝の量を1〜2割節約できます。隙間は目土で埋め、芝が生長して隙間を覆うまでには1〜2か月かかります。
市松張り
市松模様のように1枚置き・1枚空けで張る方法です。芝の使用量は約半分で済むためコストは抑えられますが、全面が覆われるまで数か月かかり、その間は雑草が生えやすくなります。
すじ張り
一列ごとに間隔を空けて張る方法です。広い面積を低コストでカバーしたい場合に使われますが、均一に仕上がるまで時間がかかるため、家庭の庭にはあまり向きません。
芝の張り方の手順(ベタ張りの場合)
- 整地した地面に端から切り芝を並べていく。レンガ積みのように横目地をずらして配置すると、仕上がりがきれいになる。
- 芝と芝の間に隙間ができないよう、ぴったりと密着させる。
- 全面に張り終えたら、目土を芝の上からまんべんなくまき、ホウキで目地に入れていく。
- 足やローラーで軽く転圧し、芝と下の土を密着させる。
- たっぷりと水やりをして完了。芝の下の土にまでしっかり水が染み込むまで散水する。
張った後のケア|根付くまでの管理が大事
芝を張った後の2〜3週間は、根付くまでの大切な時期です。
水やり
張り付け後2週間は毎日欠かさず水やりをします。特に晴天が続く日はたっぷりと散水し、芝の下の土まで湿った状態を保ちましょう。根が活着したら徐々に頻度を減らして、通常の管理に移行します。
芝の上を歩かない
根が活着するまでの約1か月間は、できるだけ芝の上を歩かないようにしましょう。踏圧で芝がずれると、根付きが遅れてしまいます。
初めての芝刈り
芝が5cm以上に伸びたら、初めての芝刈りのタイミングです。刈り高は3〜4cm程度を目安にし、一度に刈りすぎないようにします。
張り付け後すぐに肥料を与えるのは避けましょう。まだ根が張っていない状態で肥料を与えると、肥料焼けを起こして芝が枯れる原因になります。肥料は活着後(約1か月後)から始めるのが安全です。
芝生張りDIYの費用目安
1平方メートルあたりの目安を紹介します。
- 切り芝(高麗芝):1束(約1平方メートル分)で300〜500円前後
- 目土:20Lで400〜800円前後
- その他の道具:レーキ、スコップ等は1,000〜3,000円程度
20平方メートルの庭をベタ張りする場合、材料費だけなら1万円〜2万円程度で収まります。業者に依頼すると同面積で5万円〜10万円以上かかるケースが多いため、DIYならコストを大幅に抑えられます。
芝張りでやりがちな失敗と対策
失敗1:整地が不十分で凹凸ができた
芝を張った後に地面が沈んで凹凸が出るのは、転圧不足が原因です。特に庭土が柔らかい場合は、何度も踏み固めて地面を安定させてから張りましょう。凹凸が出てしまった場合は、へこんだ部分に目土を入れて修正します。完全に平らに戻すまでに数回の目土入れが必要になることもあります。
失敗2:芝が根付かず枯れてしまった
張り付け後の水やり不足が最大の原因です。特に春〜初夏の晴天続きの時期は、毎日しっかり散水することが根付きの成否を分けます。芝を押してみて動かない状態になったら根付いた証拠です。根付くまでには2〜3週間ほどかかります。
失敗3:切り芝が乾燥して枯れた状態で張った
購入後に長時間放置すると、切り芝は蒸れたり乾燥したりして傷みます。購入日に張り終えるのが理想ですが、やむを得ず保管する場合は日陰に広げて霧吹きで湿らせておきましょう。
失敗4:排水が悪く水たまりができる
水勾配を考えずに整地すると、雨が降るたびに水たまりができます。建物側から外に向かって1mあたり1〜2cmの傾斜をつけることで解消できます。
芝張りに使う芝の種類と選び方
DIYで芝張りをする際は、使う芝の種類も重要なポイントです。
高麗芝
家庭の庭で最もポピュラーな品種です。暑さに強く、踏まれてもへたりにくい丈夫な芝で、初めてのDIYには高麗芝が無難です。冬に茶色くなりますが、春になれば新芽が出て再び緑に戻ります。
姫高麗芝
高麗芝よりも葉が細かく、ゴルフ場のような緻密なターフを作れます。見た目にこだわりたい方に向いていますが、こまめな芝刈りが必要です。
TM9
トヨタルーフガーデンが開発した省管理型高麗芝です。伸びが遅く芝刈り回数が少なくて済むため、忙しい方にぴったりです。一般的な高麗芝より価格は高めですが、管理コストを長期的に見れば十分な価値があります。


Q&A|芝生張りDIYでよくある質問
Q. 粘土質の土でも芝生は張れる?
可能ですが、排水性の改善が必要です。川砂やバーミキュライトを混ぜて水はけを良くしてから張りましょう。粘土質のままだと根腐れや水たまりの原因になります。
Q. 切り芝はネット通販とホームセンター、どちらが良い?
ホームセンターなら実物を見て鮮度を確認できるのがメリットです。ネット通販は広い面積分をまとめて注文でき、配送日を指定して作業日に届けてもらえるのが便利です。どちらの場合も、葉が青々としていて根がしっかり絡んでいるものを選びましょう。
Q. 雨の日に芝張りしても大丈夫?
小雨程度なら問題ありません。むしろ水やりの手間が省けるというメリットもあります。ただし大雨の日は土がぬかるんで整地が崩れるため、避けたほうが無難です。
芝張りDIYに向いている庭・向いていない庭
すべての庭が芝張りに向いているわけではありません。事前に自分の庭がDIY芝張りに適しているか確認しましょう。
向いている庭
- 日当たりが良い(1日4時間以上の日照が確保できる)
- 水はけが良い(雨の後に水が1時間以内に引く)
- ある程度平坦で、大きな傾斜がない
- 散水用の水栓が近くにある
向いていない庭(対策が必要)
- 日陰が多い → 耐陰性のある品種(野芝)を選ぶか、日陰部分はグランドカバーで代替
- 粘土質で水はけが悪い → 川砂の混入や暗渠排水で排水改善してから張る
- 急傾斜地 → 芝がずり落ちやすいため、芝張り用の固定ネットを使うか業者に相談
まとめ
芝生張りのDIYは「整地→張り付け→水やり管理」というシンプルな流れで進められます。成功のカギは何より下地づくりにあり、しっかり整地して排水を確保すれば、初心者でもきれいな芝庭を実現できます。春先の芝張りシーズンに合わせて、ぜひ挑戦してみてください。
芝生の張り方について詳しい情報は、コメリの芝生の張り方ガイドや、ハイポネックスの芝生の張り方ポイント解説も参考にしてみてください。





