バラ選びで大切なのは「育てやすさ」と「好みのバランス」
バラには数万種類もの品種があると言われており、初心者にとって品種選びは悩みのタネです。見た目の美しさだけで選ぶと、病気に弱かったり管理が大変だったりして、せっかくのバラ栽培が苦痛になってしまうことがあります。
初心者がバラを選ぶときは「病害虫に強い」「四季咲き(繰り返し咲く)」「樹勢が強い」の3つの条件が揃った品種を選ぶと失敗しにくいです。この条件を満たす品種なら、多少手入れが行き届かなくても元気に花を咲かせてくれます。
この記事では、初心者でも育てやすいバラの品種を、タイプ別に厳選して紹介します。品種選びの参考にしてください。

バラのタイプを知っておこう
品種を選ぶ前に、バラの基本的なタイプを理解しておきましょう。タイプによって樹形や仕立て方が異なります。
ハイブリッドティー(HT)
1本の茎に大輪の花が1つ咲く、もっともポピュラーなタイプです。花の形が整っていて、切り花としても楽しめます。
フロリバンダ(FL)
房咲きでたくさんの花が一度に咲くタイプ。花壇向きで初心者にも育てやすい品種が多いのが特徴です。
つるバラ(CL)
枝が長く伸びるタイプで、アーチやフェンス、壁面に誘引して楽しみます。一面に花が咲いた姿は圧巻です。
シュラブローズ(S)
ハイブリッドティーとつるバラの中間的な樹形のバラです。半つる性で自由度が高く、鉢植えにも地植えにも向いています。
ミニバラ
花も株もコンパクトなタイプ。鉢植えやベランダ栽培に最適です。
初心者におすすめのフロリバンダ品種
アイスバーグ
世界バラ会議で「殿堂入りバラ」に選ばれた名品種で、初心者に最もおすすめできるバラのひとつです。
- 花色:純白
- 花形:丸弁咲き、中輪房咲き
- 香り:微香(ティの香り)
- 特徴:完全四季咲きで次々と花を咲かせる。うどんこ病に強く、樹勢が旺盛。真冬になるまで花が上がり続ける
- 注意点:黒星病には普通の耐性なので、梅雨時は薬剤散布や風通しの改善で対策を
ノックアウト
「手入れをしなくても育つバラ」がコンセプトの、耐病性に優れた品種シリーズです。
- 花色:チェリーレッド(他にピンク、ダブルノックアウトなどシリーズ品種あり)
- 花形:一重〜半八重咲き
- 特徴:黒星病・うどんこ病にきわめて強い。薬剤散布がほぼ不要で育つ。四季咲きで花数が多い
- 注意点:花の形は素朴で、ゴージャスな雰囲気を求める方には向かない
ボニカ82
こちらも殿堂入りバラで、耐寒性と耐病性に優れた修景用バラです。
- 花色:ピンク
- 花形:丸弁平咲き
- 特徴:放っておいても育つほど丈夫。寒冷地でも栽培可能。秋にはローズヒップも楽しめる

初心者におすすめのハイブリッドティー品種
クイーン・エリザベス
殿堂入りバラの中でも特に丈夫で育てやすい品種です。
- 花色:ピンク
- 花形:剣弁高芯咲き、大輪
- 特徴:樹勢が非常に強く、病気にも強い。直立性で場所を取りにくい。切り花にも向く
パスカリ
- 花色:白(クリームがかった白)
- 花形:半剣弁高芯咲き、大輪
- 特徴:花形が美しく、切り花にも最適。耐病性も比較的高い。白いバラの代表格
初心者におすすめのつるバラ品種
ピエール・ドゥ・ロンサール
殿堂入りバラで、つるバラの中で人気・知名度ともにトップクラスの品種です。
- 花色:外弁が淡いピンク、中心がクリーム色のグラデーション
- 花形:カップ咲き〜ロゼット咲き、大輪
- 特徴:トゲが少なく扱いやすい。花つきが抜群で、壁面やアーチに誘引すると見事な景観を作れる。樹勢が旺盛
- 注意点:一季咲き(春に集中して咲く)。秋には返り咲きすることもある
アンジェラ
- 花色:ローズピンク
- 花形:カップ咲き、中輪房咲き
- 特徴:花数が非常に多く、一面に花が咲いた姿は見事。耐病性も高く初心者向き。フェンスやアーチに最適
ニュードーン
- 花色:淡いピンク
- 花形:半八重咲き
- 特徴:日陰にもある程度耐える珍しいつるバラ。四季咲きで長期間花を楽しめる。殿堂入りバラ

香りを楽しみたい方におすすめの品種
バラの魅力のひとつが芳醇な香りです。香りの強いバラを庭に植えれば、花が咲くたびに幸せな気分に包まれます。
芳純(ほうじゅん)
- 花色:ピンク
- 花形:半剣弁高芯咲き、大輪
- 特徴:日本で作出された強香品種の代表格。甘く華やかなダマスク系の香り。資生堂の香水の原料としても知られる
イングリッド・バーグマン
- 花色:深紅
- 花形:半剣弁高芯咲き、大輪
- 特徴:殿堂入りバラ。赤バラの名花で、花形が美しい。微香だが色の深さが魅力。耐病性も良好
ベランダや小さな庭におすすめのコンパクト品種
広い庭がなくても楽しめる、コンパクトな品種も紹介します。
グリーンアイス(ミニバラ)
- 花色:白〜淡いグリーンに変化
- 花形:ロゼット咲き、小輪
- 特徴:花色が白からグリーンに変化する珍しいミニバラ。病気に強く、四季咲きで長期間花を楽しめる。垂れるように咲くのでハンギングにも向いている
レディ・エマ・ハミルトン
- 花色:オレンジ〜アプリコット
- 花形:カップ咲き、中輪
- 特徴:イングリッシュローズの人気品種。コンパクトな樹形で鉢植えにも最適。強い柑橘系の香りが楽しめる。耐病性も高い
ザ・フェアリー
- 花色:ピンク
- 花形:小輪房咲き
- 特徴:とにかく丈夫で手がかからない。小さなピンクの花が株を覆うように咲く。修景バラとしても使える。コンパクトな樹形で鉢植え向き
バレリーナ
- 花色:ピンク〜白
- 花形:一重咲き、小輪
- 特徴:一重咲きの可憐な小花が房状にたくさん咲く。半つる性でアーチにも鉢植えにも対応。非常に丈夫で耐病性が高く、半日陰でも育つ。初心者がつるバラに挑戦する最初の一歩としてもおすすめ
Q&A|バラの品種選びでよくある質問
Q. ホームセンターのバラ苗と専門店のバラ苗はどう違う?
ホームセンターは手軽に購入できますが、品種の幅が限られることがあります。バラ専門のナーセリー(苗木店)やオンラインショップは品種が豊富で、栽培のアドバイスも受けられます。初心者はまずホームセンターで手軽に始めて、慣れてきたら専門店で珍しい品種を探してみるのがおすすめです。苗の品質はどちらも信頼できるものが多いです。
Q. 同じ品種でも苗によって花の色が違って見えるのはなぜ?
バラの花色は気温や日照量によって変わります。特に秋は気温が低いぶん色素が濃くなり、春より深い色合いになることが多いです。また、土壌の酸性度やカリウムの量も花色に微妙に影響します。同じ品種でも環境によって少しずつ色味が異なるのは、自然の植物ならではの魅力です。
Q. 初心者は何品種くらいから始めるのがいい?
最初は1〜2品種から始めるのがおすすめです。品種ごとに性質が異なるため、いきなり多くの品種を育てると管理が追いつかなくなります。まずは1品種を1年間育てて、バラ栽培の年間サイクルを体験してから、気に入った品種を増やしていきましょう。
品種選びで迷ったときのチェックリスト
品種選びの判断基準
- 四季咲きか一季咲きか(長く花を楽しみたいなら四季咲きを選ぶ)
- 耐病性は高いか(黒星病・うどんこ病に強い品種を優先する)
- 栽培スペースに合ったサイズか(つるバラは広いスペースが必要)
- 鉢植え向きか地植え向きか(鉢で育てるならコンパクトな品種を)
- 自分の地域の気候に合っているか(寒冷地なら耐寒性の高い品種を)
イングリッシュローズも初心者向き品種が多い
デビッド・オースチン社が作出したイングリッシュローズは、クラシカルな花形と豊かな香りが魅力のバラです。育てにくいイメージがあるかもしれませんが、実は初心者向きの丈夫な品種もたくさんあります。
オリビア・ローズ・オースチン
- 花色:ソフトピンク
- 特徴:耐病性が非常に高く、四季咲き。香りも良い。デビッド・オースチン氏がお孫さんの名前をつけた自信作
ジュード・ジ・オブスキュア
- 花色:アプリコット〜イエロー
- 特徴:強い甘い香りが魅力。四季咲きで花持ちも良い。シュラブタイプでコンパクトに育つため鉢植えにも向いている
まとめ:育てやすい品種で最初の一歩を踏み出そう
バラの品種選びのポイントをおさらいしましょう。
- 初心者は「病気に強い」「四季咲き」「樹勢が強い」の3条件で選ぶ
- フロリバンダのアイスバーグやノックアウトは特に育てやすくておすすめ
- つるバラを楽しみたいならピエール・ドゥ・ロンサールが定番
- 香りを楽しみたいなら芳純やイングリッド・バーグマンをチェック
- まずは1〜2品種から始めて、慣れてきたら好みの品種を増やしていくのがおすすめ
世界中のバラ愛好家が認めた「殿堂入りバラ」は、美しさと育てやすさを兼ね備えた品種ばかりです。迷ったら殿堂入りバラから選ぶと間違いありません。
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参考:ハクサン 初心者におすすめバラ5選 初めてのバラ栽培!バラの選び方のポイント


