いちごはプランターで育てるのが実は最適な方法
自分で育てたいちごは市販品とは比較にならないほど甘くて香りが豊かです。しかもプランター栽培なら、土の管理がしやすく、ナメクジなどの害虫対策もしやすいというメリットがあります。
いちごは10月〜11月に苗を植えて、翌年の春に収穫するスタイルです。植え付けから収穫まで半年以上かかりますが、その分赤い実がなったときの感動は格別です。
この記事では、品種の選び方から植え付け、季節ごとの管理、そしてよくあるトラブルの対処法まで、プランターでいちごを育てるための知識をすべてまとめました。初めてのいちご栽培にぜひ役立ててください。

苗と品種の選び方
初心者におすすめの品種
「女峰」「とちおとめ」「宝交早生」あたりが育てやすく、初心者向けの品種です。四季なりいちごの「めちゃウマッ!」は、春だけでなく秋まで長く収穫を楽しめるのが魅力です。
品種選びのポイントは、お住まいの地域の気候に合ったものを選ぶことです。寒冷地では寒さに強い品種、暖地では暑さに強い品種を選ぶと失敗しにくくなります。
苗はクラウンが元気なものを選ぶ
いちごの中心にある成長点(クラウン)が大きくてしっかりしたものを選びましょう。葉が4〜5枚ついているものがベストです。クラウンが痩せている苗は生育が悪くなる可能性があるため避けてください。
また、葉の裏に害虫がついていないかも確認しておくと安心です。サカタのタネの品種紹介でいちごの品種情報を事前にチェックしておくのもおすすめです。
植え付けで絶対に守るべきポイント
クラウンを土に埋めてはいけない
これがいちご栽培で最も重要な注意点です。クラウンを土の中に埋めてしまうと、腐ってしまい株が枯れる原因になります。土の表面からクラウンが少し見えるくらいの浅植えを心がけてください。
深植えはいちご栽培で一番多い失敗です。植え付けのときは慎重にクラウンの高さを確認しましょう。
プランターは浅型でOK
いちごは根が浅い植物なので、深いプランターは不要です。横長の標準プランター(65cm)に3株が目安になります。いちご専用のストロベリーポットも見た目がかわいく、省スペースで育てられるのでおすすめです。
鉢底には水はけ対策として鉢底石を入れておきましょう。培養土はいちご用または野菜用のものを使います。
季節ごとの管理方法
秋(植え付け〜冬前)
植え付け後はしっかり水やりをして根付かせましょう。この時期に出てくるランナー(茎のように伸びる蔓)はすべて切り取ります。株の充実に栄養を集中させるためです。
秋のうちに追肥を1回行い、冬に備えて株を充実させておきましょう。
冬(12月〜2月)
いちごは冬の寒さに当たることで花芽をつける体制を整えます(休眠)。この寒さに当てる期間が不十分だと春の花つきが悪くなるため、室内に取り込まず屋外で管理してください。
霜よけとしてワラや不織布を株元に被せる程度で十分です。水やりは控えめにして、土が完全に乾いたらあげる程度にしましょう。
春(3月〜5月)
暖かくなると新しい葉が出て、やがて花が咲き始めます。花が咲いたら人工授粉をしてあげると実つきが格段に良くなります。方法は簡単で、絵筆や綿棒で花の中心をくるくるとなでるだけです。
この時期から追肥を再開しましょう。2週間に1回、液肥を水やりと一緒にあげるのがおすすめです。
収穫(5月〜6月)
実全体が赤く色づいたら収穫のタイミングです。朝の涼しい時間に収穫すると鮮度がよく保てます。実を地面やプランターの縁につけないように、ワラを敷いておくと汚れや病気を防げます。
住友化学園芸のガーデンガイドにもいちごの季節別管理が詳しく掲載されています。

よくあるトラブルと対策
実が甘くない
日照不足か肥料不足が主な原因です。特に実がふくらむ時期はカリウム多めの肥料をあげると甘みが増します。また、日当たりのよい場所にプランターを移動させることも効果的です。実がなり始めたら窒素よりもカリウム・リン酸を意識した肥料に切り替えるのがポイントです。
ナメクジに食べられる
いちごはナメクジの大好物です。銅テープをプランターの縁に貼るか、ナメクジ忌避剤を使いましょう。プランター栽培なら台やスタンドの上に置くだけでも、ナメクジの被害をかなり減らせます。ナメクジは夜行性なので、夕方以降に周辺をチェックすると見つけやすくなります。
うどんこ病
葉に白い粉がつく代表的な病気です。風通しをよくして、枯れた葉や古い葉はこまめに取り除きましょう。発生初期に対処することが悪化を防ぐポイントです。いちごのうどんこ病は実にも移ることがあるため、白い粉がついた実は食べないようにしてください。
ランナーの管理
収穫後にランナーがたくさん出てきます。来年用の苗を増やしたい場合はランナーの先端をポットに誘導して根付かせましょう。苗を増やす必要がなければ、すべてカットして株の体力温存に努めます。ランナーから苗を作るときは、2番目以降の子株を使うのがコツです。1番目の子株は品質が不安定なことがあるため、2番目・3番目の子株を育てる方が安定した苗が得られます。
タキイ種苗の栽培ガイドでも病害虫対策やランナー管理の方法が紹介されています。
まとめ:自家製いちごの味は格別
いちごは植え付けから収穫まで半年以上かかりますが、その待ち時間も含めて楽しめるのが魅力です。毎日少しずつ成長する苗を見守る時間は、日々の癒しになるはずです。特に冬の間じっと耐えていた株が春に花を咲かせたときの感動は、家庭菜園でしか味わえない特別な体験です。
プランターなら場所を取りませんし、ベランダでも手軽に育てられます。ランナーで苗を増やしていけば、翌年以降は苗代もかからず経済的です。毎年少しずつ株を増やして、いちご畑を拡大していく楽しみもあります。
今年の秋に苗を植えて、来年の春には甘くて香り豊かな自家製いちごを堪能してください。一度自分で育てたいちごの味を知ったら、毎年育てたくなること間違いありません。


