毎年夏から秋にかけてやってくる台風シーズン。大切に育ててきた庭の植物や鉢植えが暴風雨で倒れたり、飛ばされたりするのは本当に悲しいですよね。
台風は事前にある程度の準備ができる自然災害です。台風が来る前にしっかり対策をしておけば、植物へのダメージを大幅に減らすことができます。この記事では、庭木・鉢植え・ベランダガーデニングそれぞれの台風対策を具体的に解説していきます。

台風が来る前にやるべき基本対策
台風の接近が予想されたら、できるだけ早めに以下の対策を行いましょう。直前になると風が強まって作業が危険になるため、台風が来る前日までには対策を完了させるのが鉄則です。
- 鉢植えやプランターは室内・ガレージ・玄関先に取り込む
- 動かせない大きな鉢は建物の壁際に寄せてロープで固定する
- ハンギングバスケットはフックから下ろして地面に置く
- ガーデニング用品(ジョウロ・スコップ・支柱など)を片付ける
- 飛びやすい軽い鉢やサンダルなども忘れずに回収する
鉢植え・プランターの台風対策
鉢植えやプランターは台風のとき最もリスクが高いアイテムです。風で飛ばされると凶器になり、窓ガラスや車を破損させてしまう恐れもあります。
室内に取り込む
小さめの鉢植えは室内や玄関、車庫などに避難させるのが一番安全です。取り込む際は鉢底から水が垂れないように受け皿を用意しておきましょう。新聞紙やレジャーシートを床に敷いておくと、土や水で床が汚れるのを防げます。
まとめて寄せて固定する
室内に取り込めない大きな鉢は、建物の壁際にまとめて寄せ、鉢同士をロープやひもで縛ってまとめると安定感が増します。壁際は風の影響を受けにくく、転倒リスクを下げることができます。
横倒しにしておく方法も
背の高い鉢植えは、あえて横倒しにしておくのも有効な手段です。風で倒れて鉢が割れるよりも、事前に寝かせておいたほうが被害を抑えられます。ただし、土がこぼれないようにビニール袋で覆っておくと後片付けが楽です。

庭木の台風対策
地植えの庭木は動かせないぶん、事前の手入れと補強が重要になります。
剪定で風通しを良くする
枝葉が茂りすぎていると風を受ける面積が大きくなり、枝が折れたり幹が傾いたりする原因になります。台風シーズン前に込み合った枝を剪定して風通しを良くしておくのが基本です。特に台風が来やすい7〜10月は、定期的に枝の状態をチェックしましょう。
支柱やロープで補強する
若木や幹が細い木は、支柱を立ててロープでしっかり固定しておきます。支柱は地面に深く差し込み、幹との接点にはクッション材(布やゴムチューブなど)を挟んで、幹が擦れて傷つかないようにしましょう。
根元の排水対策
台風は大雨を伴うことが多いため、根元に水が溜まらないように排水路を確保しておきます。根元周りに軽く溝を掘っておくと、雨水が流れやすくなります。
ベランダガーデニングの台風対策
マンションやアパートのベランダは、高層階ほど風が強くなるため、特に注意が必要です。
- 物干し竿を下ろす:飛ばされると非常に危険なので、台風前には室内にしまう
- ラティスやトレリスを固定する:結束バンドやロープでしっかり固定し、飛ばされないようにする
- 排水口の掃除:落ち葉や土が詰まると水が溜まって浸水の原因になる
- 室内への取り込み:鉢植えはすべて室内に取り込むのが安全
ベランダから物が落下すると、下の階や通行人に大きな被害を与える可能性があります。「これくらいなら大丈夫」と油断せず、飛ぶ可能性があるものはすべて室内に入れましょう。
台風が過ぎた後にやるべきこと
台風が通過した後も、すぐに庭やベランダの状態を確認して、被害があれば早めに対処することが大切です。
倒れた植物の起こし方
倒れた庭木や鉢植えは、根が傷んでいる可能性があるためやさしく起こします。庭木が傾いた場合は支柱を追加し、根元に土を戻してしっかり押さえましょう。
傷んだ枝葉の処理
折れた枝や傷んだ葉は、放置すると病気の原因になります。清潔なハサミで切り取り、切り口が大きい場合は癒合剤(ゆごうざい)を塗っておくと安心です。
塩害への対処
海岸に近い地域では、台風の風に乗って海水のしぶきが植物にかかる「塩害」が発生することがあります。台風の後はホースで葉や幹に真水をたっぷりかけて、塩分を洗い流しましょう。放置すると葉が茶色く枯れてしまいます。
水はけの確認
大量の雨で花壇や畑に水が溜まっている場合は、溝を掘って排水を促します。長時間根が水に浸かると根腐れを起こすため、できるだけ早く対処してください。

台風シーズン前にやっておきたい日頃の備え
台風が来てから慌てて対策するのではなく、普段からの備えが被害を減らすカギになります。
- 定期的な剪定:風を受けやすい茂った枝を日頃から整えておく
- 鉢の重し対策:鉢底に重い石を入れたり、重量のある鉢(素焼き・陶器)を選ぶ
- ロープや結束バンドの常備:台風接近時にすぐ固定作業ができるように準備しておく
- 避難場所の確認:鉢植えを取り込む場所をあらかじめ決めておく
- 防風ネットの用意:広い花壇や菜園には防風ネットを張れるようにしておくと安心
台風の強さと風速の目安を知っておこう
台風のニュースで「非常に強い台風」「猛烈な台風」といった表現を耳にしますが、どのくらいの風速でどんな被害が出るのかを知っておくと、対策の優先度をつけやすくなります。
- 風速15m/s前後:風で傘がさしにくくなる程度。軽い鉢植えは倒れる可能性がある
- 風速20〜25m/s:看板やトタン板が飛び始める。鉢植えやプランターの転倒・飛散が起きやすい
- 風速30m/s以上:屋外での活動が非常に危険。庭木の太い枝が折れたり、鉢植えが遠くまで飛ばされたりする
- 風速40m/s以上:構造物にも被害が出るレベル。ハンギングバスケットやラティスは確実に破損の恐れがある
天気予報で最大風速の予想を確認し、風速20m/s以上が予想される場合は本格的な対策が必要と覚えておきましょう。
Q&A|台風対策でよくある質問
Q. 台風の後、花が全部散ってしまいました。復活しますか?
A. 花自体は散ってしまっても、根や茎が生きていれば再び花を咲かせることが多いです。傷んだ部分を取り除き、追肥をして栄養を補給してあげましょう。
Q. 家庭菜園の野菜はどう守ればいいですか?
A. 背の高いトマトやナスには支柱をしっかり立て直し、ロープで補強します。低い葉物野菜にはべたがけシートをかぶせておくと、風雨のダメージを軽減できます。
Q. 台風の最中に庭に出て対策してもいいですか?
A. 台風の最中に屋外で作業するのは非常に危険です。対策はすべて台風が来る前に終わらせましょう。安全が確認できてから庭の状態をチェックしてください。
Q. 台風の後に花壇の土がえぐれてしまいました。どうすればいいですか?
A. 大雨で土が流れてしまった場合は、新しい培養土や腐葉土を補充して元の高さに戻しましょう。根が露出している植物にはやさしく土を寄せて株元をしっかり覆ってあげることが大切です。その後、軽く水やりをして土を落ち着かせます。
Q. 鉢植えをすべて室内に取り込めない場合はどうすれば?
A. 取り込めない鉢は建物の壁際(特に風が当たりにくい北側の壁際や建物の角)に寄せてまとめましょう。鉢同士をロープで縛ってひとかたまりにするだけでも転倒リスクを大幅に減らせます。大きなレジャーシートで覆うのも効果的です。
Q. 台風対策で剪定した枝はどう処分すればいいですか?
A. 剪定した枝は自治体の「庭木の剪定枝」として回収してもらえる場合が多いです。長い枝は50cm程度にカットしてひもで束ね、収集日に出しましょう。量が多い場合はクリーンセンターへの持ち込みも検討してみてください。
Q. 家庭菜園の支柱は台風に耐えられますか?
A. 通常の園芸用支柱だけでは台風の強風に耐えられないことがあります。支柱を交差させて筋交いを入れたり、支柱の根元を深く埋め直したりして補強しておきましょう。合掌造り(A型)に組むと風への耐性が高まります。
台風後の回復を早めるためのケア
台風を乗り越えた植物たちには、回復を助けるケアを行いましょう。
- 追肥:ダメージを受けた植物は体力を消耗しているため、液体肥料を薄めて与えると回復が早まる
- 日陰で休ませる:激しい風雨にさらされた直後は、半日陰の場所で2〜3日休ませてから通常の場所に戻す
- 葉水で洗い流す:葉に付いた泥やゴミをやさしく水で洗い流してあげると、光合成がスムーズになる
- 折れた枝の切り口には癒合剤:太い枝が折れた場合は、清潔なハサミできれいに切り直し、切り口に癒合剤を塗って病原菌の侵入を防ぐ
まとめ
ガーデニングの台風対策は、「事前の備え」がすべてと言っても過言ではありません。鉢植えの取り込み、庭木の剪定と補強、ベランダの片付けなど、できることをしっかり行えば、大切な植物を守ることができます。
台風通過後は速やかに被害状況を確認し、折れた枝の処理や塩害対策を行いましょう。日頃から備えておくことで、台風シーズンを安心して乗り越えられるはずです。毎年台風が来る前にチェックリストを作っておくと、慌てずに行動できるのでおすすめです。
台風対策の具体的な方法は、PROVEN WINNERS「暴風台風対策」やアルスコーポレーション「庭木やベランダの台風対策」でも詳しく解説されています。


