家の外観を引き立てるシンボルツリーや、目隠しになる生け垣、季節の花や紅葉を楽しめる樹木など、庭木にはさまざまな役割があります。ただし種類が多すぎて「どれを植えればいいか分からない」と悩む方も少なくありません。この記事では、初心者でも育てやすく手入れの負担が少ない庭木を厳選して紹介します。常緑樹・落葉樹・花木・低木に分けて特徴をまとめたので、ぜひ庭木選びの参考にしてください。

庭木を選ぶ前に確認したい3つのポイント
1. 常緑樹か落葉樹か
常緑樹は一年中葉をつけているため、目隠しや外構の緑として活用しやすい特徴があります。一方、落葉樹は秋に紅葉を楽しめますが、落ち葉の掃除が必要です。手入れの手間を減らしたいなら常緑樹、季節感を楽しみたいなら落葉樹を選ぶのが基本です。
2. 成長後のサイズ
庭木は種類によって最終的な樹高が大きく異なります。高木(5m以上)を狭い庭に植えると、隣家への越境や日照トラブルの原因になることがあります。植栽スペースの広さと、成長後の樹高・枝張りを確認してから選びましょう。
3. 病害虫の発生しやすさ
虫がつきやすい樹種は、定期的な薬剤散布や剪定が必要になります。初心者は病害虫に強い品種を選ぶと管理が格段に楽になります。
おすすめの常緑樹|一年中緑を楽しめる庭木
ソヨゴ
成長が緩やかで剪定の手間が少ない常緑樹です。雌株には秋に赤い実がつき、控えめながら季節感も楽しめます。病害虫に強く、日陰にも適応するのが大きな魅力で、初心者に特におすすめの庭木です。樹高は5〜10m程度になりますが、成長が遅いため管理しやすい部類に入ります。
シマトネリコ
細かい葉が風に揺れる姿が美しく、シンボルツリーとして人気の樹種です。半常緑(暖地では常緑、寒冷地では落葉)で、明るく爽やかな印象の庭づくりに向いています。ただし成長が早いため、定期的な剪定が必要です。
オリーブ
シルバーグリーンの葉がスタイリッシュな雰囲気で、洋風の庭に人気です。乾燥に強く、日当たりの良い場所を好みます。実の収穫を楽しむこともできますが、実をつけるには異品種を2本植える必要があります。
ハイノキ
繊細な枝ぶりと小さな白い花が魅力の常緑樹です。成長が非常に遅く、剪定の手間がほとんどかかりません。樹高は3〜5m程度に収まるため、狭い庭にも向いています。

おすすめの落葉樹|四季の変化を楽しめる庭木
イロハモミジ
日本庭園の定番で、秋の紅葉が圧巻です。繊細な葉形と美しい樹形は和風・洋風どちらの庭にも合います。半日陰でも育ちますが、日当たりが良い方が紅葉が鮮やかになります。
ジューンベリー
春に白い花を咲かせ、初夏に赤い実がなり、秋には紅葉する三拍子揃った庭木です。実は食用にでき、ジャムやそのまま食べることもできます。樹高は3〜5m程度で管理しやすく、病害虫にも比較的強い品種です。
ヤマボウシ
初夏に白い花(正確には苞葉)が木全体を覆うように咲く美しい木です。秋には赤い実がなり、紅葉も楽しめます。常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス)を選べば、冬も葉を落としません。
アオダモ
すらりとした自然樹形がナチュラルガーデンによく合う落葉樹です。成長が緩やかで剪定の手間が少なく、病害虫にも強い丈夫な木です。野球バットの材料としても知られています。
おすすめの花木|花を楽しめる庭木
ハナミズキ
春にピンクや白の花を咲かせる街路樹としてもおなじみの木です。樹高は5〜10m程度になりますが、成長は緩やかで剪定しやすい樹形を保ちます。秋には赤い実と紅葉も楽しめます。
キンモクセイ
秋に甘い香りの小さなオレンジ色の花を咲かせる常緑樹です。目隠しにも使えるため、生け垣としても人気があります。丈夫で病害虫にも強いため、初心者でも育てやすい花木です。
ミモザ(ギンヨウアカシア)
早春に鮮やかな黄色のポンポン状の花をたくさん咲かせる華やかな木です。洋風ガーデンとの相性が抜群ですが、成長が早く大きくなりやすいため、植栽スペースには余裕を持たせましょう。強風に弱い点にも注意が必要です。
花木を選ぶときは開花時期だけでなく、花が終わった後の掃除のしやすさも確認しましょう。キンモクセイやミモザは花が小さく散った後の掃除がしやすいですが、大輪のサクラやツバキは花弁が大きく目立ちます。
おすすめの低木|小さな庭やスペースに
アベリア
初夏から秋まで長期間花が咲き続ける常緑低木です。樹高1〜1.5m程度に収まり、非常に丈夫で手入れが楽な品種です。生け垣や花壇の縁取りにも向いています。
ブルーベリー
春に白い花、夏に収穫、秋に紅葉と一年を通じて楽しめる低木です。実の収穫には異品種を2本以上植える必要があります。酸性土壌を好むため、ブルーベリー用の培養土を使うと管理しやすくなります。
ドウダンツツジ
春に白い釣り鐘状の花が咲き、秋には真っ赤に紅葉する見事な色付きで知られる落葉低木です。刈り込みにも強いため、生け垣や目隠しとしても使えます。
ローズマリー
料理にも使えるハーブとして人気の常緑低木です。乾燥に強く、日当たりの良い場所に植えればほぼ放任でも育ちます。青い花が庭のアクセントにもなります。

庭木の植え方の基本手順
庭木を購入したら、正しい手順で植え付けましょう。適切な植え方をするかどうかで、その後の成長に大きな差が出ます。
ステップ1:植穴を掘る
根鉢(ポットから出した根と土の塊)の2倍の幅、1.5倍の深さの穴を掘ります。穴の底に堆肥や腐葉土を混ぜた土を入れて、根が伸びやすい環境を作りましょう。
ステップ2:根鉢を設置する
根鉢が地面とツラになるか、やや高めの位置に植え付けます。深植えは根腐れの原因になるため、浅めに植えるのが安全です。麻布が巻かれている場合はそのまま植えて構いません。麻布は土中で自然に分解されます。
ステップ3:水極め(みずぎめ)
植穴に水をたっぷり注ぎ込みながら土を入れ、根と土を密着させます。棒で突いて空気を抜くのがポイントです。この「水極め」をしっかり行うかどうかで、活着率が大きく変わります。
ステップ4:支柱を立てる
高さ1.5m以上の庭木には支柱を立てて風で倒れるのを防ぎます。八つ掛け支柱(3本の支柱を斜めに立てるタイプ)が一般的です。根がしっかり張るまで(1〜2年)は支柱を外さないようにしましょう。
庭木の年間管理カレンダー
庭木の基本的な管理を月ごとにまとめます。
- 1〜2月:落葉樹の剪定適期。寒肥(かんごえ)を施す。
- 3〜4月:常緑樹・落葉樹の植え付け適期。芽吹き前の軽い剪定。
- 5〜6月:生育旺盛な時期。花木は花後に剪定。害虫チェック。
- 7〜8月:水やりを重点的に。高温で樹木がストレスを受けやすい時期。
- 9〜10月:秋の植え付け適期。落葉樹の紅葉を楽しむ。お礼肥を施す。
- 11〜12月:落ち葉掃除。寒風対策の防寒巻き(必要な木のみ)。

庭木を植える際の注意点
植える場所の日当たりを確認する
樹種によって日なた・半日陰・日陰の適性が異なります。オリーブやハナミズキは日当たりが必要ですが、ソヨゴやアオダモは半日陰でも育ちます。
成長後のサイズをイメージする
苗木の状態で植えると小さく見えますが、数年後には大きく育ちます。隣家との境界や窓の位置、電線の高さなどを考慮して、十分な間隔を取って植栽しましょう。
根の広がりに注意
大型の木は根が広範囲に伸びるため、配管や基礎に影響を与えることがあります。建物の基礎から最低でも2m以上離して植えるのが安全です。
Q&A|庭木選びでよくある質問
Q. 虫がつきにくい庭木はどれ?
ソヨゴ、オリーブ、アオダモ、ローズマリーなどは比較的害虫がつきにくいと言われています。完全に虫がつかない木はありませんが、これらの品種なら薬剤散布の頻度を減らせます。
Q. シンボルツリーは1本だけ植えればいい?
1本だけでも十分ですが、高木のシンボルツリー+低木や下草を組み合わせると、立体感のある美しい植栽空間になります。
Q. 植え付けの適期はいつ?
常緑樹は春(3〜5月)か秋(9〜10月)が適しています。落葉樹は落葉後の休眠期(11〜3月)に植え付けるのが一般的です。ポット苗であれば真夏・真冬を避ければ通年植え付け可能です。
庭木の剪定の基本
庭木を美しく保つために欠かせないのが剪定です。初心者でもできる基本的な剪定方法を紹介します。
不要枝の除去
枯れた枝、交差している枝、内側に向かって伸びている枝(逆枝)は見つけ次第切り落とします。これだけでも樹形がすっきりして風通しが良くなります。
切る位置
枝の付け根から5mm〜1cm程度の位置で切るのが正しい剪定です。枝を途中で切る(ぶつ切り)と見た目が悪くなり、切り口から病気が入りやすくなります。太い枝を切る場合は、剪定ばさみではなくノコギリを使い、切り口に殺菌剤(トップジンMなど)を塗っておくと安全です。
剪定の時期
落葉樹は落葉後の休眠期(12〜2月)、常緑樹は芽吹き前の3〜4月が基本的な剪定時期です。花木は花後すぐに剪定しないと、翌年の花芽がつかなくなることがあるため、花が終わったら早めに剪定しましょう。
まとめ
庭木選びは「常緑か落葉か」「成長後のサイズ」「病害虫への強さ」の3つを軸にすると迷いにくくなります。初心者には、成長が穏やかで虫がつきにくいソヨゴやアオダモが特におすすめです。植える場所の日当たりやスペースを考慮して、長く付き合える1本を見つけてください。
庭木選びについてさらに詳しく知りたい方は、大建工業のシンボルツリーおすすめガイドや、日本中央住販の初心者向けシンボルツリー解説も参考になります。



