カモミールは、りんごのような甘い香りが特徴です。自宅で育てたカモミールで淹れるハーブティーは、市販のティーバッグとは一味も二味も違う格別な味わいです。
カモミールは種まきから収穫まで初心者でも育てやすいハーブのひとつです。この記事では、カモミールの育て方の基本から、ハーブティーとして美味しく味わうための収穫・乾燥方法まで、丁寧に解説していきます。

カモミールの種類と選び方
カモミールには大きく分けて2つの種類があります。ハーブティーを楽しみたいなら、どちらを選ぶかが重要です。
ジャーマンカモミール(一年草)
ハーブティー用にはジャーマンカモミールを選びましょう。一年草で、春に種をまくと初夏には白い花を咲かせます。花に甘い香りがあり、ハーブティーに使われるのは主にこちらの品種です。草丈は30〜60cmほどに育ちます。
ローマンカモミール(多年草)
ローマンカモミールは多年草で、植えっぱなしで毎年楽しめます。葉や茎にも香りがあるため、グラウンドカバーとして植えると踏むたびに良い香りが漂います。ただし、花の香りはジャーマン種に比べると苦味が強めで、ハーブティーには好みが分かれます。
- ハーブティー目的 → ジャーマンカモミール(一年草)
- 庭のグラウンドカバー → ローマンカモミール(多年草)
- 初めてなら、ジャーマンカモミールから始めるのがおすすめ
種まきの時期と方法
ジャーマンカモミールの種まきは春(3〜4月)と秋(9〜10月)が適期です。秋まきすると翌春に一足早く花を楽しめるため、ハーブティーをたっぷり楽しみたい方は秋まきがおすすめです。
種まきの手順
カモミールの種はとても小さい(ゴマの半分くらい)ため、扱いには少しコツがいります。育苗ポットやプランターに培養土を入れ、表面を平らにならしたあと、種をばらまきます。
カモミールの種は好光性種子(光がないと発芽しにくい)なので、覆土はごく薄くするか、種を軽く押さえる程度にとどめます。土をかぶせすぎると発芽率が大幅に下がるため注意しましょう。
種まき後は霧吹きでやさしく水を与え、土が乾かないように管理します。発芽適温は15〜20℃で、7〜14日ほどで発芽が始まります。

苗の植え付けと管理の基本
植え付けの適期と場所
苗の植え付けは3〜4月が適期です。園芸店やホームセンターで苗を購入して植え付ければ、種まきの手間が省けます。
カモミールは日当たりと水はけの良い場所を好みます。ただし、真夏の直射日光には弱いため、夏場は半日陰に移動できる鉢植えのほうが管理しやすいです。
用土
市販の草花用培養土やハーブ用培養土で問題ありません。水はけを良くするため、パーライトを1割ほど混ぜるとさらに良いです。地植えの場合は、植え付け2週間前に苦土石灰を施しておきましょう。
水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。過湿にすると根腐れを起こしやすいため、水のやりすぎには注意しましょう。地植えの場合は、植え付け後に根付けば自然の降雨でほとんど間に合います。
肥料
カモミールはあまり肥料を必要としません。植え付け時に元肥を施せば、追肥はほとんど不要です。肥料が多すぎると茎ばかりが伸びて花付きが悪くなることがあります。
病害虫対策のポイント
カモミールにはアブラムシがつきやすい傾向があります。見つけたら、水で洗い流すか、木酢液を薄めてスプレーするのが手軽な対処法です。
また、風通しが悪いとうどんこ病にかかることもあります。株間を十分に取り、込み合った部分は間引くことで予防できます。
カモミールはハーブティーにして飲むため、農薬の使用は極力避けましょう。アブラムシ対策には、牛乳スプレーや粘着テープによる捕殺など、自然由来の方法を優先してください。
カモミールの収穫とハーブティーの作り方
収穫のベストタイミング
カモミールの花は、開花してから3〜4日後がもっとも香りが強いタイミングです。花の中心(黄色い部分)がこんもりと盛り上がり、白い花びらが少し反り返り始めた頃が収穫の目安です。
収穫は午前中の涼しい時間帯に行うと、香りの成分がもっとも多く含まれています。花の付け根から指で摘み取るか、ハサミで切り取りましょう。
乾燥方法
収穫した花は、ザルやネットに広げて風通しの良い日陰で3〜5日ほど乾燥させます。天日干しは香りが飛びやすいため、必ず日陰で行いましょう。カラカラに乾燥したら、密閉容器に入れて冷暗所で保存すれば数か月は楽しめます。電子レンジを使った時短乾燥法もあります。キッチンペーパーに花を並べ、600Wで30秒ずつ加熱して様子を見ながら乾燥させます。焦げやすいので、こまめにチェックしましょう。
ハーブティーの淹れ方
フレッシュ(生花)の場合は、花5〜6輪をポットに入れて熱湯を注ぎ、フタをして3〜5分蒸らします。ドライ(乾燥花)の場合は、ティースプーン1杯をポットに入れて同様に蒸らしましょう。はちみつを加えると、さらに甘く飲みやすくなります。

こぼれ種で翌年も楽しむ
ジャーマンカモミールは一年草ですが、花を摘まずに残しておくと種が地面に落ち(こぼれ種)、翌年も自然に芽を出すことがあります。手間いらずで毎年カモミールが楽しめるのは嬉しいポイントです。
ただし、こぼれ種は予期しない場所から芽が出ることもあるため、広がりすぎが気になる場合は花を残す本数をコントロールしましょう。
カモミールの手入れのコツ
間引きと支柱立て
種まきで密に生えてきた場合は、本葉3〜4枚の段階で株間10〜15cmになるよう間引きましょう。間引きが甘いと風通しが悪くなり、うどんこ病の原因になります。また、草丈が高くなるジャーマンカモミールは、風で倒れやすいため、必要に応じて小さな支柱を立ててあげると安心です。
花がら摘み
咲き終わった花をそのままにしておくと、種を作ることにエネルギーが使われ、新しい花が咲きにくくなります。花がら摘みをこまめに行うことで、長い期間にわたって花を楽しむことができます。ただし、こぼれ種で翌年も楽しみたい場合は、一部の花をそのまま残しておきましょう。
カモミール栽培のQ&A
Q. カモミールはプランターでも育てられますか?
はい、プランターでの栽培に適しています。深さ20cm以上のプランターを用意し、株間10〜15cmで植え付けましょう。ベランダでも日当たりが確保できれば問題ありません。
Q. カモミールに合うコンパニオンプランツは?
カモミールは「植物のお医者さん」と呼ばれることもあり、近くの植物を元気にするといわれています。キャベツやタマネギなどのアブラナ科・ユリ科の野菜と一緒に植えると、害虫を遠ざける効果が期待できます。
Q. キク科アレルギーの人が飲んでも大丈夫ですか?
カモミールはキク科の植物です。キク科アレルギーやブタクサアレルギーのある方は、カモミールティーでアレルギー反応を起こすことがあるため、注意が必要です。心配な方は医師にご相談ください。
Q. ローマンカモミールでもハーブティーは作れますか?
作ることは可能ですが、ジャーマン種に比べると苦味が強めで、好みが分かれます。ハーブティー目的ならジャーマンカモミールのほうが飲みやすくおすすめです。ローマンカモミールは葉にも芳香があるため、ポプリやバスハーブとして活用するのが向いています。踏むと良い香りがする性質を活かして、庭の小道沿いに植えるガーデニング用途で育てている方も多いです。

まとめ
カモミールの育て方とハーブティーの楽しみ方について解説しました。
- ハーブティーにはジャーマンカモミールを選ぶ
- 種まきは春か秋。覆土は極薄く(好光性種子)
- 日当たりと水はけの良い場所で育てる
- 肥料は控えめに。アブラムシに注意
- 花の中心がこんもり盛り上がったら収穫のサイン
- 日陰で乾燥させて保存。ティースプーン1杯で1杯分
自宅の庭やベランダで育てたカモミールで淹れるハーブティーは、心も体もほっと和ませてくれます。ぜひカモミール栽培にチャレンジしてみてください。ジャーマンカモミールは一年草ですが、こぼれ種で翌年も自然に生えてくることが多いので、一度育て始めると毎年花を楽しめる可能性があります。収穫した花をティーポットに浮かべる瞬間は、自分で育てたからこそ味わえる特別な喜びです。
カモミールの栽培についてさらに詳しく知りたい方は、養命酒製造のカモミール栽培ガイドや、LOVEGREENのカモミール図鑑、GreenSnapの育て方ページも参考になります。カモミールはハーブティーだけでなく、花がら入浴剤やフェイシャルスチームなど、美容にも活用できる万能ハーブです。ぜひさまざまな使い方を試してみてください。


